タミキーリ

天使のタミキーリのレビュー・感想・評価

天使(1937年製作の映画)
4.5
先日観たルビッチ監督たち作が「生きるべきか死ぬべきか」だったので、それに近いコメディかと思ったら、大人の三角関係を描いた作品だった。演出がひたすら素敵。行動の結果を見せず多くを語らず次の場面で理解させる。
後ろ側から見える写真立ての写真が誰か分かった時の反応、受話器の向こう側でピアノの旋律を聴いている人物は誰なのか。そういうのをあえて映像として作らない演出はとても好みだった。
メルヴィン・ダグラスが演じるホルトンが、ディートリッヒ演じるマリアに、『天使』について言葉で説明しろと、旧友であるフレデリックの前で促される場面、特に情感を煽るような演出なんてないのに、切なさが溢れていて堪らなかった。
こういう演出がされている作品、たぶん「ダンケルク」や「TTSS」など好きな人は楽しめると思う〜。