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レスラーのNobのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
4.0
落ちぶれたかつての人気レスラーの悲哀を描いた作品。本作でまず目を引くのが、自身のキャリアの浮き沈みとも被る役柄を哀愁漂わせながら見事に演じ切った、ミッキー・ロークの存在であろう。酒と薬に溺れ、愛する家族にも見放され、それでもそんな彼が最後に選ぶのが“ リング”。そこでしか生きられない男の哀しさは、涙なしには語ることが出来ない。

試合のシーンはリアリティがあり目を背けたくなるほど痛々しい。そして病を抱えて挑む最後の試合は緊張感が半端ない。ラストシーンは、敢えて結末を描かないことで視聴者の想像を掻き立てる、印象的で見事な締め方であった。

中年ストリッパーを演じた、マリサ・トメイの体を張った演技も素晴らしかった。
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