ルネ

DIG!のルネのレビュー・感想・評価

DIG!(2004年製作の映画)
5.0
2006年。 監督はオンディ・ティモナー。

2つのインディーズ・バンド、“ブライアン・ジョーンズタウン・マサカー”と“ダンディ・ウォーホルズ”の愛憎相反するライバル関係を7年間にわたって追いかけた音楽ドキュメンタリー。2004年のサンダンス映画祭ドキュメンタリー部門で審査員グランプリを受賞。(映画.comより)

ブライアン・ジョーンズタウン・マサカー(BJM)のアントン・ニューコムと、ダンディ・ウォーホルズ(DW)のコートニー・テイラーは、知り合って意気投合し、2年ぐらい一緒にライヴをやったり仲良くしていた。

DWがメジャーと契約してから関係がギクシャクし始めて・・・という流れ。

アントン・ニューコムはライヴでブチ切れてメンバー殴ったりする、ヤバい人。 映画の中では天才として扱われているのだが、音源を聴くと普通にかっこいいけどそうでもないと思う。 ボビー・ギレスビーみたいな声で、スピリチュアライズがまったりしたみたいな音出してます。 メロディーは結構いいと思うのだがオリジナリティがなくて、そこで止まってると思う。

レコード会社の重役が見に来てるライヴで暴れたりして、大切なところでちゃんと行動できない。 実の母が「高校の頃50回補導されたけど、全然懲りてなくて少年院に入れられた」って言っていたので、病的なものだと思う。 お父さんも病んでました。

レコード会社に行った時、「オレは楽器が80種類弾けるんだぜ!」とか、経理の人に「オレは天才だからすごい有利な契約をして、メチャメチャ稼ぐ! そしたらちゃんと金を数えてくれ!」とかまくし立てるシーンに爆笑しました。 目先の事しか考えられなかったり、幼稚なんですよね。

確かにシタールとかも演奏していたが、80種類の楽器って想像できない。 レコード会社の人にどんなの弾けるんだって何回かツッコまれて、「中国の変な楽器だって弾けるぞ!」って言ってたけど、名前も知らない楽器弾けるんかい(笑) 

ドラッグやりまくってヘロヘロになって画面に登場するし、ライヴで客の顔に蹴りを入れたりもするので、結構楽しめます。 普通にインタヴューに答えたり、日本のシーンでファンと普通に挨拶してたりもするので、アップダウンがあるのかもしれない。

一方DWはすごい普通の人達で、ヴィジュアルも地味。 「Bohemian Like You」って曲が売れて当時話題になったけど、思いっきりストーンズの「Brown Sugar」なので興味を持たなかった。 「フォー!」って掛け声までそのまんまだったりして、今聴くと元ネタというよりパロディーに近いかもしれない。

そんな感じで甘くみていたのだが、アルバムを聴いてみたら結構カッコ良かった。 この曲みたいにポップな曲はあんまりなくて、まったりサイケな雰囲気でした。

2つのバンドの対立は演出っぽい要素が強いけど、レコーディングのシーンやライヴシーン、ツアーで移動のシーンなんかの編集も上手くてすごく面白いです。
ルネ

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