ずっと観たかったんです。リンチ作品の中では最もシンプルで真っ直ぐすぎて、フィルモグラフィーでみると逆に異彩を放つ優しいウェルメイドな作品。
本作にも出演しているハリー・ディーン・スタントン主演の『ラッキー』の元ネタ。そっちはデヴィッド・リンチ監督も出ている大傑作なのだけど、本作もすごく良い。"おじいちゃんかわええ映画"として魅力たっぷりで、ほっこりして観てたら泣けてきます。
おじいちゃんは10年間絶縁していた兄が倒れたことをきっかけに、昔のように一緒に星を見るために会いにいく。カメのようにのんびりと進むトラクターでの旅の中で出会う様々な人々。少しずつ、休みながらじゃないと出会えなかった温もりを感じながら進んでいく。
鹿のシーンにはちょっぴりとリンチ節が効いていたかも。「私、鹿好きなのに！」には悲劇と喜劇が合わさっていて思わず笑ってしまう。
やっぱりロードムービーは人生で、そして、だからこそとっても映画的だなあと改めておもう。
