そう

ゴジラのそうのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1984年製作の映画)
3.3
合成が凄いところとあれ?なところとあって、大人向けに作ったにしては不完全さも感じたが、確かに前作までとテイストは変わっていた。映像のクオリティーより脚本に注目するべき映画なのかなと思った。公開当時の日本が置かれていた状況、米ソ冷戦下にゴジラが現れたらこの国はどうなってしまうのかというシュミレーションをしている。現在の日本も例外ではない。放射能を食べるゴジラが日本近海に現れた場合、真っ先に狙われるのは海上に展開する各国の原潜と日本本土の原発である。1985年の時点で、核の脅威を十分に認識していた人たちがいたということ。ゴジラを津波に見立てれば、劇中で破壊される原発を見て福島第一原発を思い起こさざるを得ない。預言だ。ゴジラ=自らの意思で自由に動き回る核兵器。神出鬼没。今は人間が核を理性でコントロールできているとしても、AIで制御しだしたら?そんなことは起きない?でも今だって人間がコントロールできているわけではない。できていると過信して自然の脅威を前にあっけなく制御不能になった。やはりこのシリーズ、かなり示唆に富んでいる。こんな映画を作り得た日本人ですら原発事故を起こしている。
そう

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