映画好きなリコ

オール・アバウト・マイ・マザーの映画好きなリコのレビュー・感想・評価

4.4
これは、イヴの総てのオマージュというよりは、バグダッド・カフェでは?
傷ついた人が、別の地で人との交流を経て復活し、一度その地を離れてまた戻り、絆を再確認するという構造から、ラストカットに至るまで、非常に似ていると感じました。
女性の心に焦点を当てて描いた傑作でした。
ゲイ役の友だちは、れっきとした女優さんで、彼女の演技は必見の価値があります。
ペネロペ・クルスの出世作でもあり、人懐っこい役柄がハマっていて、かわいいです。
シスターロサが病気と分かってからの、どうしようもない展開には泣いちゃった。憎まれ役であるはずの、ロラのキャラ造形がまた良いです。
ビクトルエリセ作品で映画が引用されたように、イヴの総てや欲望という名の電車などの劇作品の引用が素晴らしい効果をあげていますが、個人的にこの監督には、ゴダールやタランティーノと同じ匂いを感じています。