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狼の王子のkojikojiのレビュー・感想・評価

狼の王子(1963年製作の映画)
4.5
20代の頃自分のバイブル的な書であった渡辺武信氏著の「日活アクションの華麗な世界」の中の解説を読んで絶対観たい!と思っていた作品で、何度か名画座や、特集上映でかかっていたが見ることができずにいた作品。amazon primeでこの作品が配信されるとは。

でもいつ見るかと自分の宝箱を開ける気分でちょっとドキドキしながら鑑賞。
なんと解説してあったか実家に置きっぱなしになっていて本は開けないので詳しくは覚えてはいないのだが。

監督は舛田利雄、原作は石原慎太郎。

期待通りの素晴らしい作品だった。
配信終了前に2度目の鑑賞。

オープニングからすごいかっこいい。
北九州の闇市。戦争孤児たち。

実際の戦後の出来事のニュース映像と、高橋英樹演じるタケの物語と並行していく。

ある日、貨物から進駐軍の荷物を盗もうとして、タケだけが警察につかまる。その時面構えを気に入られたタケは日下組組長に面倒見てもらうことに。

青年になったタケ。若松港に荷役を担う日下組の若大将となっていた。
ある日敵対するか加納組と港でいざこざがあり、乱闘に。そこには幼い頃闇市で過ごした川地民夫演じるテツジが。

足を負傷したタケを迎えにきた日下組長。その帰り、加納組の組員に待ち伏せさる。日下組長は殺される。なにもできなかったタケ。

裁判となり、証拠不十分で罪から逃れようとしていたタケはその組員と、加納組長を裁判所で射殺。

出所後組を預かる加藤嘉から東京に行くよういわれる。
東京ではクラブの用心棒として、空虚な生活を送る。

安保反対のデモで知り合った新聞記者の浅丘ルリ子と出会い、平穏な暮らしをしていたタケ。その前に今北九州を牛耳る加納組の幹部となったテツジが現われる。

空虚な東京での生活。

そして自分を取り戻すために北九州へ向かう。

舛田利雄監督のキチッとした絵と、演出が素晴らしい。
またあの加藤嘉がすごい。賭場での立ち回りは必見!

この作品はもちろん期待値高く鑑賞したが、それを上回る映画だった。
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