柏エシディシ

ロシアン・ドールズの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ロシアン・ドールズ(2005年製作の映画)
3.0
「スパニッシュアパートメント」の続編。グザヴィエ三部作2本目。
バルセロナ留学から5年後。作家の道を選んだグザヴィエだが、まだまだ夢半ば。
仕事も恋愛も、優柔不断なあれやこれや。
映画であれば、爽快な終幕でめでたしめでたしだが、実際の人生はそうはいかないってこと。
あいかわらず、フツーのフランス映画ならば陰鬱な物語になりそうな所、espritと呼ぶには軽快に過ぎるクラピッシュの語り口。
グザヴィエほど才能もなく女性を口説く才覚もないけれど、何とも他人事とは思えない事態にケラケラ笑っちゃう。
ウェンディとの展開は、一作目からしたらまさかだったけれど。
ケリー・ライリーめちゃめちゃ可愛い。タレ目美人好きにはたまらん。
実は本シリーズの要はセシル・ドゥフランスなんじゃないだろうか。最高です。
一作目では周囲を困らせまくっていてウィリアムの成長と、今度は周りに困惑させられたりする姿が愛おしい。
すこし、グザヴィエが利己的に過ぎてロマンス要素の比重も増えて、そこはやや不満。
マトリョーシカに準えた人生の教訓もどこか説得力に欠ける。
青春譚として見事な着地にまとめる3作目に向けて、橋渡しの一本。
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