おなべ

病院坂の首縊りの家のおなべのレビュー・感想・評価

病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)
4.5
世間的には「犬神家の一族」が1番有名ですが、市川崑と石坂浩二のコンビ作品はどれも良いです!
ああ…何でこんな哀愁漂うのかしらん。金田一シリーズは毎回犯人の境遇が辛いものがあります。原作では20年に及ぶ物語を2時間に納めているそうなので、ちと話の辻褄が合いにくい部分がありますけど、犯人に取り憑く怨念や呪縛がなければ、こんなことにはならなかったのに。横溝正史作品って手の打ち所のねえどうしようもねえ野郎がよく出ますね、本当、この野郎!

ラストに掛けて明かされる犯人の心境が見どころ。怪しい作風やショッキングな殺人の裏にある、親と子の愛情の深さに胸を打たれるます。終盤ある人物が「お母様」と呼ぶ台詞、人力車が坂を下りていくシーンの映像は美しく、涙を誘う。市川崑監督の物哀しいラストシーンは身に染みますね…。
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