病院坂の首縊りの家の作品情報・感想・評価

「病院坂の首縊りの家」に投稿された感想・評価

NACCI

NACCIの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ラストシーンがせつなく、美しい…
生涯、男に翻弄され続けた犯人が不憫で、、それにしても桜田淳子、美しすぎるぜ。
市川崑監督による金田一耕助(石坂浩二)5部作のフィナーレ(2006年版は除く)
これも再放送少なかったと思う…地上波で1回見たくらいだったかも。

人物相関がややこしくて一度で頭に入らない。それにオチは力技でもっていった感が拭えず、いろいろと残念感はあります…が、個人的には割合好きでして。

桜田淳子(二役)の上手さと眼力、歌も上手いし綺麗。
そして佐久間良子の品と存在感。
コミカルな草刈正雄も良かったし、警部の粉吹きシーンは特筆ものw

緩急をつけたカットに分割画面、絵の具の如き血糊、冒頭の結婚式の不穏さ、ラストの哀しさ等、見所はあるのですが、最初の犯行に無理があるため犯人と動機が分かってもどこか腑に落ち無さが残ってしまう作品。

シリーズ最後ということでか、横溝正史先生もちょっと出演。あれは演技というか地ですね 笑
marbo917

marbo917の感想・評価

3.7
市川崑✖︎石坂浩二の金田一作品の第五作で(リメイク版犬神家の一族を除くと)最後の作品。

法眼家の相関図が複雑すぎて、何度観てもこの部分だけがどうしても理解出来ないが、見所はたくさんある。
アイドル全盛期の桜田淳子の二役(眼力強すぎ)。合間合間に入る岡本信人と等々力警部の絶妙なノリツッコミ(夫婦漫才みたい)。そして何よりも、佐久間良子の演技は涙を誘う。

このレビューはネタバレを含みます

1979年7月20日、池袋・日勝文化で鑑賞。(二本立て、600円) 

横溝正史原作の市川崑監督の映画。 

石坂浩二による金田一耕助。 
この映画シリーズ(?)は、だいたいが大女優が犯人。今回も佐久間良子であった。 
本作では哀れであったが。
ic

icの感想・評価

3.2
やはりドキドキ感とホラー並みのひんやりとした気持ちにさせられる。大胆なパフォーマンスのような現場はお話の中だから安心してみれる。しかし、やはりこのシリーズは事件とは別に犯人の苦悩や悲しみという部分も描かれている。悪と一括りに言えない問題。犯人とそして犯人をよく知っているものこそが何故か殺された人物よりも悲劇に合った人物のように感じる。

それにしても家族関係が複雑過ぎる。相関図を検索しても理解しようという気になれないくらいに複雑な図が出てくるので余計わからなくなる。
キよ4

キよ4の感想・評価

-
見た記憶はあるが内容はまるで深い霧の中シリーズ
まるっきり覚えがない 見てるはずだけど...

このレビューはネタバレを含みます

複雑怪奇な血縁に翻弄された哀しい女と、その子供たちの悲劇。殺人の動機(弱味を握られて恐喝してきた相手を殺す)は、シリーズ中最も分かり易いんだけど、家系図は一番ややこしい。
だって、弥生奥様(佐久間良子)と山内冬子(萩尾みどり)は母娘なわけで(弥生15歳の時に義父 五十嵐猛蔵に犯されて出来た子どもが冬子)、夫となる法眼琢也(彼は弥生とは腹違いの従兄弟にあたる)は弥生(正妻)、冬子(妾)それぞれとヤッて(いわゆる「親子どんぶり」)、それぞれに生まれたのが由香利と小雪という瓜二つの娘ってことになる。なんという因果!
それ以外にも、あらゆる人物に「愛人の子」「腹違いの兄弟姉妹」という関係が当てはまり、ドロドロの怨念と欲が交錯することになるのだった。

この事件、全ての元凶はやはり、五十嵐猛蔵ということになるだろう。
シリーズの過去作品でも、愛人たちや近親者含め、あらゆる女たちとヤリまくって文字通り「因果の種」を撒いてきた業の深い男というのが存在している。「犬神家」では佐兵衛翁、「手毬唄」では青池源治郎=恩田幾三だ。しかし、この2作は犯人の父親であったり夫であったりして、彼らに対する愛情もあるし、彼らの因果を回収するべく使命感をもって犯行を行うのに対して、「病院坂」の猛蔵に対する犯人の感情は「憎しみ」「怨み」「嫌悪」であった。髭面の敏男(あおい輝彦)の首切断シーンで、犯人が猛蔵の顔を思い浮かべるシーンにそれが凝縮されている。

さて、この作品の見どころは、こけしのような日本的怪奇を表出させた桜田淳子の二役と、入江たか子(化け猫女優、当時68歳!)の回想シーンでの白塗りと、東北のメクラババア役を怪演しまくって一瞬の出演で強烈な印象を残す白石加代子だろうかな。三条美紀と岡本信人の掛け合いや、ピーターさんの殺されっぷり、小沢栄太郎の狡猾でイヤラシイ台詞回し、そして原作者 横溝正史夫妻の特別出演(二人ともセリフあり)も忘れちゃぁいけない。

そしてやはり主役の金田一耕助が、これまでのシリーズ作とは一風違った雰囲気で描かれる点に注目したい。オープニングタイトルもいつもの明朝体ではなく、スパッと動くゴシック体で、キャストクレジットの最後に「金田一耕助 石坂浩二」と出てくるという所も「あ、いつものと違う。これが最後だからか。」という気配を感じる。そして、勝手に助手気取りの杢太郎(草刈正雄)に対して、それまで殆ど誰にも語らなかった自身の身の上(東北の生まれで、孤児であることなど)を話している。異例である。(今回の事件の犯人や、敏男・小雪の兄妹も、自分と似たような境遇だとまで言っている。)

これまでは、物語の狂言回しのような飄々とした雰囲気で、それでいて意外と熱い男だった金田一。しかし「病院坂」での金田一は、なんだか気もそぞろというか、何か達観しているような、諦観みたいなものを感じさせる。恒例の謎解きの場面でも妙に淡々としていて、さらに全員が集合している筈なのに犯人が見あたらない事にも敢えて「そういえば、●●さんが居ませんねえ」などと傍観者のようなのである。同様の場面でもこれまでは「しまった!!」と言って大慌てで探したりしていた。結果、犯人の自殺を許してしまうのだが、今回はわざと逃がしている風だ。

(ネタバレバレ↓)
その後、金田一は問題の乾板を竹の庭で割り(この乾板に関しては、あの等々力警部が実に粋な計らいをしている)、犯人である弥生奥様は車の中で服毒自殺を遂げる。あのラスト、車夫 三之介(小林昭二)が啜り泣くのを病院坂の上から金田一が眺めるシーンは秀逸(涙涙)。ところが、これが名場面過ぎるのか、DVD個別パッケージのジャケットになっていたりするもんだから、ネタバレも甚だしく、(↑ネタバレ)←こんな配慮も台無しになってしまうじゃんかと、ツッコミたくなった。
ナ

ナの感想・評価

4.2
市川崑の金田一シリーズで一番悲しくて泣けた。弱い人たちへの思いやりが感じられた。
「よし、わかった!市川崑監督版《金田一耕助》シリーズ最終章だ!」

《金田一耕助》最後の事件として。
それまでに映画化された作品と執筆時期が違う本作は、やはり毛色が違う物語でありました。

だから、単純に比較してはいけないのでしょう。
これまでの作品で描いてきた“お化け屋敷のような怖さ”は、やはり終戦直後に執筆したからこそ(『犬神家の一族』『獄門島』『女王蜂』は1947~1952年の脂が乗っている時期の作品。本作は1975年の作品)。当時は“因習が支配する農村”に猟奇的な雰囲気を感じることが出来る年代だったのです。

そして、本作が執筆された昭和40年代は。
目まぐるしく発展する世の中に取り残された“ぼんやりとした闇”が怖い時代。それを“病院坂の首縊りの家”として表現されたのは慧眼の極みでした。ただ、全盛期を過ぎていたことは否めず、物語の方向性の違いも含めて原作は微妙だった…のが正直なところです。

そして、映画化された本作は。
横溝正史先生の真骨頂である“カストリ雑誌のように猟奇的で俗悪な雰囲気”を再現しよう…とした痕跡を見受けることは出来ました。特に舞台である“病院坂の首縊りの家”の雰囲気は絶妙です。湿気を吸い込んだ木材の臭いに満ちた空間は…魂が震えるほどにドキドキします。廃屋マニアは必見ですよ。

また、クライマックスを彩る“病院坂”も。
物語と相俟って最高のロケーションでした。
しかし、それらに感じるのは猟奇的な恐怖よりも、夕闇に消えていく昭和の香り。ドロドロの情念よりも、枯葉が積みあがった哀愁。やはり、前四作の根底に流れていた“お化け屋敷のような怖さ”ではないのです。

だからなのか、軽妙な演出も目立ちました。
例えば、横溝正史先生ご本人が出演されているのですが、棒読みの台詞がコミカルに映って、微笑ましい限りなのです。その他にもセルフパロディのような台詞が散見されますからね。あえて“明るい雰囲気”を狙ったのかもしれません。

まあ、そんなわけで。
役者名を明朝体で表現した恒例のオープニングも今回は無し。やはり、最初から最後まで前四作とは違う雰囲気なのでした。それでも、原作自体が微妙な割には頑張っていたと思いますので、期待し過ぎなければ楽しめるんじゃないでしょうか。

それにしても、なんで本作には坂口良子さんが出演していないのだろう…。残念。
Pikochan

Pikochanの感想・評価

4.5
1979年東宝 金田一耕助シリーズの推理ミステリー。
原作 横溝正史、監督 市川崑、出演 石坂浩二で、市川崑監督作品としては5作目で最終作。ただし2006年に犬神家の一族を自身がリメイクしている。
この病院坂、かつて中学生だった頃から、テレビ放映版を何度も鑑賞。物語の真相の深さに溺れるほどの面白さに圧巻された。さすがは市川崑ワールド、本作はシリーズ最高傑作だと思う。
特に著作が複雑に描いた登場人物の家系や因果関係などの真相が面白い。しかし若い頃に観た理解は乏しく、大人としての視点で再度鑑賞したくなった。
改めて観ると、懐かしい名優たちの顔ぶれで、石坂浩二や佐久間良子・桜田淳子のほかに、あおい輝彦、定番の等々力警部役の加藤武、家納巡査役の大滝秀治、今やひよっこで活躍中の白石加代子の名演技を観ることができる。
奥深い家系関係は、メモを取り、物語の真相を今まで以上に理解した。昔ながらの寄せ集めの家系に、事件の真相が隠されている。
イイ機会なので、その他の4つの作品も鑑賞したい。
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