ツクヨミ

空中レヴュー時代のツクヨミのレビュー・感想・評価

空中レヴュー時代(1933年製作の映画)
3.0
奇抜なカット割とアメリカ的なショータイム。
マイアミのホテルで開催されていたバンドショーで指揮者の男がブラジル美女に恋をした。そんなこんなでリオに行くことになったカップルは無人島に不時着する…
ミュージカル黎明期作品の中でも奇抜な作品。アステア&ロジャース結成第一号と聞いて飛びついてしまった本作、彼らは脇役でありながら実に名脇役的な魅力をしっかり放っていた。その中でもダンスシークエンスは一つだけであまり派手さはないが、これからの成長を感じさせる前兆を感じる仕上がり。キャラクター的にも実にコメディリリーフとして最高なアステア&ロジャースだった。
そして今作はカット割からしてかなり奇抜だ。画面が急に45度回転して次ショットに移行したり、上からM字型で次ショットが降ってきたりと前衛的カット割の連続が楽しい。内容的にもツッコミどころ満載でありながらタイトルまんまの"空中レビューショー"が展開される様はアメリカ全盛期のパワーと華やかさを感じさせる。
アステア&ロジャースの第1作目としても実に満足なへんてこミュージカルが楽しめた作品だった。
ツクヨミ

ツクヨミ