こばまさ

百万円と苦虫女のこばまさのレビュー・感想・評価

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)
3.5
蒼井優つながりで、前から気になっていたコチラを。
ジャケとタイトルにインパクトはあるけど、どんな話なのかは全く知らない。
それでは、苦虫を噛み締めながらいってみよう。


-就職浪人中の鈴子(蒼井優)は、アルバイトをしながら実家で暮らしていた。
彼女はバイト先の同僚とルームシェアを始めるも、それが思いも寄らぬ事件に発展し、警察の世話になる。
中学受験を控えた出来の良い弟・拓也から責められ、家に居づらくなった彼女は家を出て、1か所で100万円貯まったら次の場所へ引っ越すという生活を始める-

“自分探しではなく、自分から逃げる旅”


タナダユキ監督作は、まだこれで3作目。
蒼井優とは、この作品を経て12年後に『ロマンスドール』で再タッグを組んでいる。
この2人の相性は、抜群にいい。


これは…ロードムービー?引っ越しムービー?
東京から始まり、海辺の町、山あいの村、ある地方都市と舞台は移り変わる。


①海辺の町
海の家で働くことになった鈴子。
かき氷を作るのが天才的に上手い鈴子。
とにかく朝から晩まで働く鈴子。
そんな鈴子に、ちょっかい(いわゆるナンパ)をする男・ユウキ(竹財輝之助)
全く取り合わない鈴子。
100万円を貯め、この町を出る。

②山あいの村
たまたま立ち寄った喫茶店のマスター(笹野高史)に、住み込みで働ける農家を紹介してもらう鈴子。
桃農家の絹さん(佐々木すみ江)と、その息子(ピエール瀧)にお世話になる鈴子。
桃をもぐのが天才的に上手い鈴子。
桃姫と呼ばれる鈴子。
村長から桃姫として村をPRして欲しいと頼まれるが、断りこの村を出る。

③ある地方都市
アパートを借り、近くのホームセンターでアルバイトを始める鈴子。
ガーデニングコーナーを担当する事になり、そこで同い年の大学生・中島亮平(森山未來)と出会う鈴子。
仕事が出来るし、気が利くし、優しい中島。
鈴子のミスもカバーし、どこまでも優しい中島。
少しずつ、中島に惹かれていく鈴子…


ここから先はお口チャックで。

この作品は、鈴子が色んな人たちと出会い関わり合う事で、鈴子の成長と心情の変化を表している。
もう1つ、鈴子の弟・拓也は学校でいじめを受けていて、鈴子の旅の途中途中でそのシーンが差し込まれる。

鈴子が住む場所を変える度、鈴子は拓也へ手紙を送る。
そして、最後の最後で初めて拓也から鈴子へ手紙が届く。


引っ越しロードムービーでありながら、姉弟の絆を描いた本作。

あの終わり方で…良かったのかな?
うん、良かったに違いない。
こばまさ

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