けーはち

明日なき追撃のけーはちのレビュー・感想・評価

明日なき追撃(1975年製作の映画)
3.2
政界入りを狙う保安官が名うての無法者を捕らえたが護送中に取り逃がし──75年となればジャンル映画としての西部劇は衰退期。米国の正義も失われ、もはや勧善懲悪ヒーローの時代ではない。保安官は功名心に逸って足元を掬われ権威失墜、おまけに部下たちが外ヅラばかり気にする彼を見限り無法者の下につく選択をする皮肉な本作を、『OK牧場の決斗』でドク・ホリデイを演じたカーク・ダグラスが監督・主演しているのを見ると中々自虐的とすら思える。前半の大捕物劇や、無法者の護送中の脱出劇は、ちゃんと戦略やトリックを効かせ見応えがある。また派手な爆発炎上などの修羅場でちゃんとケレンみもある。