COZY922

ヒストリー・オブ・バイオレンスのCOZY922のレビュー・感想・評価

3.8
夫や父親に犯罪組織の一員だった事実や殺人の過去があると知った時、人はそれを受け入れることができるんだろうか。そんなことを考えたラストでした。

赦しを請うようなトムの目、黙ってトムの皿やフォークを並べる小さな娘。セリフの無いラストの夕食のシーンは、セリフが無いがゆえに家族の複雑で微妙な心情が雄弁に語られているように感じました。深い余韻を残す終わり方が好きです。過去を清算し受け入れ、それでもきっと負の連鎖は止まらない。。拭っても拭い切れない暴力の歴史が家族の今を脅やかす。

ヴィゴモーテンセンは目で語ることのできる俳優ですね。ちょっと癖のある渋味と目の動きが、語らずして饒舌な場面を生みます。良き夫・良き父・善き市民 ”トム” が ”ジョーイ” に変わる時の目はさすがでした。
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