内田吐夢監督の1955年公開の日活作品。
タイトルがいい。
宇野重吉が防空壕から出てくるところから始まる。
病院の院長であった父親を亡くし、後妻である若い母親(月丘夢路)と、娘(北原三枝)、病に伏せる兄(金子信雄)と、家族と親しい関係のエリート医師(三国連太郎)、サラリーマンだが非職となった男(宇野重吉)の5人がおりなす、自我と自我のぶつかり合い。
全編で流れるチェンバロが奏でるメロディが印象深い。
大人の映画だな。
主要5人の描き方がしっかりしていて見応えがある。
後妻に対する兄妹が冷たいのがなんかつらい。
金子信雄が別れた妻が訪ねてきた夜のシーン。おそろしい。
ラスト三国連太郎と北原三枝の対比。
北岡三枝が寂しい。