エンドロールまで素敵な作品だった。
お話のネタバレはしないが、少し設定を説明する。主人公は自分の身に起こる事なら2分先の未来まで視ることができる能力を持っているマジシャン。その彼が自分以外の人間の未来を視るところから物語が始まっている。
超人的な能力を持つ主人公の苦悩を描く映画は世に多い。この作品も例外ではないように感じた。
よくある「自分の能力を何に使う事が正しい行いなのか」という葛藤だと思って観ていたがラストシーンに入るとその考えは変わった。彼にとっての正しい行いは2人の男女が出会ったその時にすでに答えが出ていたとすら思える終わり方だった。
頭を使って観ても、そうでなくても楽しめるとは思うが個人的には彼のセリフには隠されたメッセージがあると信じて観てみることがこの映画を一番楽しめる贅沢な時間に繋がると考える。
彼の視る未来全てを描かないことで私たちに想像する楽しみを与えてくれた。