うめ

ジョニーは戦場へ行ったのうめのレビュー・感想・評価

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)
3.4
ようやく鑑賞。第一次大戦に兵士として出征したが、爆撃を受けて病院に連れられたジョニー。しかし、ジョニーは爆撃によって四肢を、目を鼻を口を耳を、失う。かろうじて残った脳で、彼はまず考え(思考し)始める…。
基本は(話せないため)ジョニーのモノローグで進んでいくが、ジョニーの思考が映像となって描かれている場面もしばしばある。これが少し宗教的で、抽象的でもある。またさきほど思考と述べたが、実は思考ではない場合(過去の記憶、夢など…)が混在している。これらのことから、少し理解し切れていない部分もあるのだが、むしろ色んなものが入り交じったこの混乱こそが、ジョニー含め帰還兵たちの苦しみを的確に表しているのかもしれない。
第一次大戦は死者の数でみると、第二次大戦よりもひどかったのだという話を聞いたことがあるし、何より科学兵器を用いた大戦争を初めて経験しトラウマをかかえた兵士が顕著になったのも、第一次大戦だ。精神的な病から起こる痙攣をする兵士の映像は忘れられない。それと同じで、ジョニーが最後に語った言葉も忘れないだろうし、忘れてはいけないのだと思う。観ていないなら、是非、一度観てもらいたいと強く思う作品だ。
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