半兵衛

ドラキュリアンの半兵衛のレビュー・感想・評価

ドラキュリアン(1987年製作の映画)
3.9
怪奇ものを愛好するグループの子供たちが町に襲来するドラキュラ率いるモンスター軍団と戦うというジュブナイルなホラーコメディ、出てくる怪物がハマー映画などでお馴染みの面子だったりするのが映画ファンの心を大いにくすぐるしそうした化け物を退治する方法がいちいち工夫されていて楽しめる。なにより子供たちだけではなく不良少年や周囲の大人たちといった面子が必死になって怪物と戦っているのが胸熱で子供の頃に鑑賞していたらもっとハマっていたかも。

フランケンシュタイン登場の場面があの有名な映画のオマージュでファンはニヤリとするはず、でも少女とフランケンの関係性といいその切ない別れといいどことなく『ミツバチのささやき』の要素も。そしてフランケンを演じる役者の悲哀を感じさせる演技もなかなか。

怪物が一斉にではなく小出し状態で出てくるのでちょっと盛り上がりに欠けるきらいはあるが、それでもモンスターと子供たちが一進一退を繰り広げるラストバトルは結構熱い。

どちらかというといじめられっ子タイプな主人公たちのなかにいる不良少年の存在がいいアクセントになっている、そして彼の風貌や男気のある性格はどことなく『幽々白書』の幽助や『魁!!男塾』の桃太郎に通じるところがありこういう要素が青年の心を掴むのは日本だけではないのだなと感じた。

笑いのシーンも結構よく出来ていた、なかでも処女探しの件とヘルシング教授の勘違いに爆笑。
半兵衛

半兵衛