浅野公喜

大空に乾杯の浅野公喜のレビュー・感想・評価

大空に乾杯(1966年製作の映画)
3.2
サユリ・ヨシナガ主演の、「ハッピーフライト」は勿論「スチュワーデス物語」「アテンションプリーズ」よりもずっと早い時期に作られたCA物。「キューポラのある街」でも思いましたが、サユリ・ヨシナガがどうして支持が強いのかなんとなく分かります。

CAといっても飛行機のシーンは思ったより少なく、金持ちの息子と花を育てる貧乏学生どちらを選ぶべきかと悩む三角関係のラブストーリーがメインで、驚くような展開は用意されていないのですが、今の漫画原作物ラブコメの原型がこの時代で既に出来上がってるのが興味深く、サユリ・ヨシナガ演じる主人公も割と独立心旺盛だったり貧乏学生の飯を奢ったり打算的婚約に否定的だったりとこの時代にしては先進的な女性なのが印象的でした。

また、何度も描かれる主人公の友人の妹の妄想シーンは少々しつこいですが照明やセットは個性的だったり、主人公と親子がそれぞれ対立した後に家の庭からそれぞれ別の部屋に居る(ように見える)三人を一度に映すことで孤立状態を描いたように感じるアングル等所々凝ってます。

今では応援団位しか着ない学ランを普通の大学生が着ているのが時代を感じさせます。オープンのダイハツ・コンパーノもお洒落でした。
浅野公喜

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