マーフィー怒りの鑑賞

デーヴのマーフィー怒りの鑑賞のレビュー・感想・評価

デーヴ(1993年製作の映画)
3.4
年始のテレ東深夜放送を録画。次の日は「エディー・マーフィーのホワイトハウス狂騒曲」と、大統領選挙の年だからか、2夜連続で米国政治界が舞台のコメディを放映。丁度昨年末から日本を騒がせた、裏金問題を彷彿とさせる作品選びでもある。

大統領の影武者と大統領夫人が主人公で、国政規模の陰謀に巻き込まれはするものの、軽いタッチのラブコメ。

1997年にフジテレビで放映した、三谷幸喜脚本・田村正和主演の「総理と呼ばないで」は、この作品にかなり影響を受けたと思う。「総理と呼ばないで」の第7話くらいだったと思うが、人気がなく退陣目前と噂される総理が、駅の通路で演説を始め、終いには総理夫人と夫婦漫才のような夫婦喧嘩を始め、観衆にウケるという場面がある。これは今作品の主人公が警察官に職質されて、自分達はモノマネ芸人だと嘘をついて、大統領夫人と一緒に歌い始める場面とそっくり。執務室がホワイトハウス風のオーバルルーム(半球型の天井)だったり、作品全体に影響が感じられた。

あとはイ・ソンギ&チェ・ジウ主演の韓国映画「大統領の理髪師」(2002)も、似たような箇所があったような。こちらは大分前に見たので記憶がほとんど無いが。

カメオ出演のゲストが豪華。まずシュワちゃん。しかも今回放映したのは貴重なテレビ朝日版吹替えなので、声優は玄田哲章。ソフト版では別人が担当している。他にも司会者のラリー・キングとジェイ・レノ、映画監督のオリバー・ストーンが登場。日本版ウィキペディアには載っていないが、JFKからオバマまで11人の大統領を取材した、名物おばあちゃん記者のヘレン・トーマスも記者会見シーンに登場していた。IMDBにはしっかり本人役で記載があった。この人は10年前に死去した際に、日本でもニュースになっていたので気づく事ができた。

ちなみにシュワが出演したのは、縁の深いアイヴァン・ライトマン監督の作品だからだろう。どういうわけか今まで気にしたことがなかったが、シュワのコメディー作品の「ツインズ」、「キンダーガートン・コップ」、「ジュニア」は全て同監督の作品だ。つまりライトマンはシュワのコメディ路線を成功させた立役者。「ターミネーター」のキャメロン監督にはアクション・スターへと導かれた。この二人の監督がいなければ、ハリウッド・メガスター、アーノルド・シュワルツェネッガーが存在しなかったかもしれない。

まったく関係ないけど、同じ年にデーヴ・スペクターは日清焼そば「UFO」のプロモーション作品「ヤキソバン」と同商品のCMで「ケトラー」という悪役を演じていた。