相模ねこ

チェンジリングの相模ねこのレビュー・感想・評価

チェンジリング(2008年製作の映画)
4.5
【実話であって欲しくないと強く願う】
アンジーの涙でぐしゃぐしゃになった顔と哀しく掠れた声が脳裏に焼き付き離れない。
権力の一極集中した警察の堕ちた姿、それを取り巻く医療看護体制が、腹立だしいを通り超え、痛々しい。なんと醜いことよ。

犯人との面談のシーンが上手く作られてるなと思った。興奮した犯人が連れて行かれ、部屋残された主人公が鉄格子に指をかけ叫ぶその姿が、まるで彼女の方が囚われているかのようだった。彼女は生涯、この事件にこの犯人に囚われ続けたのだろうかと想像して胸が苦しくなった。だからこれが実話でないことを強く願わずにいられない。
ラストの慰めるような優しい音楽と、色褪せていく街並みに緊張の糸が解れ、涙が溢れた。
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