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ジャンヌ・ダルクの雑種のレビュー・感想・評価

ジャンヌ・ダルク(1999年製作の映画)
3.5
中学生くらいの頃に初めて観た時、内容も難しいくてあんまり理解してなかったのもあるけど、ジャンヌなかなか奇天烈な人だな〜と思ったのを覚えてる。でも改めて観て思ったのは、多分これジャンヌ啓蒙映画じゃなくてむしろアンチジャンヌ映画なのかもしれない。ベッソン大先生はきっとジャンヌが自分は神の使いだと主張してたのを否定したくてこの映画を作ったんだろうなと解釈した。だからジャンヌをああゆう巻き込み型ヒステリー奇天烈女として描いたんだろうな。だって普通に考えて、この映画観て「ジャンヌダルクかっこいい!」なんてならんもん。むしろ身近にいたら相当キツいわ〜ってなる。都合が悪い質問されると「神のご意志だから私にはわからない」で押し通すの信仰宗教にハマって分別つかんくなってる人間のセリフとしか思えんし、ヴァンサンカッセルが神の声なんてクソくらえだって辟易してたのも、部下たくさん殺されてチェッキーカリョが怒るのも、早く故郷に帰ってほしいってジョンマルコヴィッチが嘆いてたのもベッソン大先生の心の声の代弁とすら思えてくる。終盤でダスティンホフマンがジャンヌを論破してたシーンで「数ある可能性の中からお前はこれを選んだ」つって剣が空から降臨してくるヴィジョン見せた時、もはやギャグかなって吹き出してしまったよ(笑)そう考えるとベッソン大先生が伝えたかったことはちゃんと表現されてるしアンチジャンヌ映画としては満点大成功なのかも。そしてヴァンサンカッセルがとにかくカッコいい!
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