前半ははいはいと思ってみてたけど、後半神がかりシーンが現れてビビった、後半から輝き出す映画
思えば、前半に対するかったるさは抑圧されてる子供たちの気持ちとも重なるよなあと。スーツ姿の先生たちと白いパジャマ姿の子供たち。その子供たちはシンメトリーに並べられたベッドや机、食器とともにあるように押し込められる。カメラはハイアングルで子供たちを見下ろすことが多い。
その整然としたオブジェをはちゃめちゃにするクライマックス。そこには天使の羽のように破れた枕から羽毛が舞い上がっている。子供たちが革命を起こす様子はスローモーションで撮られ、まるで天国の祝祭かと思うほど。ベッドに張り付けられ、そのベッドを床と垂直に配置された先生はキリストの像のようにも思える。
その後子供たちは屋外に出て屋根に登り、自分たちを抑圧してきた先生たちを見下ろす。ハイアングルの視点ショットは、形式面においても先生と子供たちの立場が逆転したことを表していた。