ノリオ

インサイダーのノリオのレビュー・感想・評価

インサイダー(1999年製作の映画)
3.7
小学生の頃、友人が『ラスト・オブ・モヒカン』を母親と見に行ったと話していたのだが、てっきり『北斗の拳』のような映画だと思っていた。
モヒカン=世紀末という図式を小学生たちに植え付けた武論尊と原哲夫は凄い。
そんな『ラスト・オブ・モヒカン』の監督がマイケル・マンだと知ったのはそれから十年ほど経ってからである。ちなみに『ヒート』はその友人たちと興奮して見たのを覚えている。

マイケル・マンお得意のアクションシーンはないが、アル・パチーノとラッセル・クロウの会話はまるで銃を使わないアクションシーンのように緊迫感がある。
アル・パチーノの眼光はニュース番組のプロデューサーというより殺し屋のもので、いつ拳銃が出てきても誰も驚かなかっただろう。だがその熱量があったからこそ、バーグマンの存在に説得力がでたのであろう。

マイケル・マンの真骨頂はアクションシーンではなく、会話シーンにあるからこそ、あれほど硬質なアクションシーンが生まれるのだと感じる。
それほどのにこの作品における会話シーンは緊迫感に漲り、漲りすぎて画面が割れてしまうんじゃないかと心配してしまうほどである。

ちなみにラッセル・クロウのレアな日本語シーンも拝める。これで日本語教師であるというのはご愛嬌であろう。
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