TP

恋におちてのTPのネタバレレビュー・内容・結末

恋におちて(1984年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

★1985年初鑑賞、2020年8月再観賞★

 この不倫映画を、16歳の高校生の時に4.5という評価をつけたのだが、観返してみるとありふれているし、深みのない内容と言わざるを得ない。

 まず、フランクもモリーもそんなには不幸せな家庭生活ではない。モリーは生真面目な夫に辟易しているところはあるものの、そのおかげで郊外の邸宅に住み、自分は趣味のような仕事に就いて暮らしていけている。フランクも、確かに妻との愛は冷め気味とはいえ、家族4人でそこそこ幸せに暮らしており、ただ単に不倫という関係に恋い焦がれて火遊びをしてしまったとしか感じられないのだ。
 その結果、失ったものは大きく、結ばれるであろう二人は決して幸せになるとは思えなくて、自業自得じゃないかとしか思えない。そもそも、美男美女ともいえない中年の男女がなぜお互いに急に魅かれだしたのかの描き方が雑で、正直、良くわからない。

 結局、当時高評価をつけたのは、上記のような大人視点からの矛盾を感じずに大人の恋愛はいいなと思ったことと、その当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったデ・ニーロとストリープの演技合戦が凄かったということが理由なのではないかと思う。今、冷静に評価するとこの程度の評価が妥当だと思う。

 確かに二人の演技はすごい。間の取り方、その間の中での目やしぐさによる感情表現はさすがと思わせるものがある。しかし今観ると、お互いに個性的な顔立ちのデ・ニーロ&ストリープはどうしても「ディア・ハンター」のカップルを連想してしまうし、ハーヴェイ・カイテルの共演で「ミーン・ストリート」や「タクシー・ドライバー」を思い出してしまい、どうにも映画に集中しきれない。
TP

TP