Ritz

処刑遊戯のRitzのレビュー・感想・評価

処刑遊戯(1979年製作の映画)
4.0
【Don't Say Good Bye】

松田優作を一気にスターダムへと押し上げた、東映セントラル本格アクション『遊戯シリーズ』第三作目。

最後の遊戯は地下室からはじまる。何者かに拉致された鳴海昌平。暴行され意識が朦朧とする中、突如ある男の殺しを依頼される。しかし任された仕事が進むにつれて得もしれぬ違和感を覚え始める鳴海。見えない影に翻弄されながらも、ついに真相の一片を手に掴む。そして真の黒幕に辿り着いたとき哀愁のメロディが冬空の下に木霊する。

全てはこの作品のための『遊戯』というべき最高の出来映え。敵地に乗り込むノーカットのアクションシーンはシリーズ最高にして集大成とも言うべき圧巻の一言。行きずりの人生、その刹那を生きる一発の弾丸。目にも止まらぬ速さで駆け抜けたそのあとには、熱く焼け焦げた魂の匂いが立ち込める。男の美学に飾り気はいらない。ただひたすらに屈強な意志とその飾らない魂を燃やす情熱だけ。ハードボイルドを語るなら死んでも見逃せない傑作の1本。
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