福福吉吉

カリスマの福福吉吉のレビュー・感想・評価

カリスマ(1999年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
刑事の藪池(役所広司)は犯人が人質をとって立て籠もった際に、犯人と人質を共に死なせてしまい、上司から休暇を言い渡される。抜け殻のようになった藪池は知らない森に入り込み、その森で野宿を繰り返すうちに多くの人と出会い、不思議な木を見つける。この木についてそれぞれが違うことを言って、賛否が分かれる中、藪池もこの木の世話を手伝うようになる。

◆感想◆
ストーリーはなかなか難解で、登場人物たちのクセの強さも相まって理解できませんでした。

主人公である藪池は刑事で、犯人と人質双方を死なせたことで心に傷を負ったことは想像できるのですが、その後の森での行動になると道端で寝たり、食い意地が汚かったりと刑事としての真面目さなど一切無くして行き当たりばったりの行動を繰り返すので、彼が何を考えているのかサッパリ分かりませんでした。

しかし、藪池がその森に関わる人々の意見を受ける役回りとして、各登場人物たちと出会っていく流れになり、藪池がそれぞれに異なる反応を見せて面白かったです。登場人物たちの意見が周囲に何も生えていない一本の不思議な木「カリスマ」に集中しますが、藪池は具体的には何も回答せず、流れに身を任せます。

終盤になって、やっと藪池が覚醒し、自分の意見を持つようになります。この部分は正直、何が正解なのかさっぱり分かりません。しかし、藪池以外の登場人物たちの行動が破滅的に感じました。

自分以外を全て枯らす木「カリスマ」を肯定するか否かで、単純に割り切れず是非のあるまま生きるしかないってことなのかな。分からない。

観ている間、ずっと頭の中で疑問符を抱え続けた作品で、理解はできませんでしたが、それでも観たことに満足感がある不思議な作品でした。

鑑賞日:2023年12月4日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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