ちょっと群を抜いて良い。
松田優作かっこよすぎる、声と表情の色気。
『戦メリ』の坂本龍一的かっこよさ。
三千代さんも儚げな美しさと凛とした瞳が素晴らしい。
冒頭カットの縁側から居間にスライド式に移るカメラワークがどこか小津っぽい。
幻想的な列車のシーンで乗客が順に手持ち花火を点火して行ったり、進行方向に向かってタワー状に折り重なったり、、、
ここぞという場面で繰り返す音楽も耳に残る。
平岡との対面シーンで、静かな中蝉の声だけがじわじわ響いて聞こえるのも良い。
お父さんを訪ねるときに長井の来訪を壁に映る赤い影＋帽子を取る仕草だけで表現するのが趣深いし、
勘当されるシーンではお父さんの拳だけを最近景に置き、義兄と姉を中間地点に、その奥に長井を映す配置がなんとも心憎い。
ともかく原作読みたくなった。
