監督は2005年版「蝋人形の館」でデビューした人。
確実に見たことがあるのだが結末を忘れていて、以下の感想もどこかに書いた記憶があるのだが、最後に主人公(それまでは一介の植物学者)が、自分が誰かを思い出した途端に急に強くなるくだりがオカシイ。実はカーアクションの派手な運転テクニックがすでに不自然なわけだが……
実は嘘をついているのは一人だけというヒチコック風のストーリーは、主人公がリーアム・ニーソンだということ自体が伏線になっている。パスポートには1964年生まれとあって、本作公開年で47歳は少々老け過ぎなのだが、本当は54年生まれのリーアムは10歳もサバを読んでいて、この後から本格的にアクション俳優になっていくのだから向こうの人はすごい。
雪の散らつく暗いベルリンを舞台に、シュタージ出身のひと癖ありげな老探偵役としてブルーノ・ガンツ(この人は天使の役ばかりのようだが、ヒトラーも演じている)がいかにも不気味で素晴らしいのだが、まるで展開に影響しないのはひどいと思う。
ドイツ人のダイアン・クルーガー は流れ者の移民を演じているが、「女は二度決断する」というトルコ人移民連続殺人の映画にも出ていて、そちらの方が面白そうだ。