わち

ぐるりのこと。のわちのレビュー・感想・評価

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)
3.5
法廷画家の夫と子供を失ったことによって精神を病んでしまった妻の再生を描いた映画。
口数も少なく感情をはっきり出さないリリー・フランキーと、少し神経質であるがゆえ自分で自分を追い込んでいってしまう木村多江の2人は、互いの不器用さからすれ違いを生んでしまうが、互いを思う気持ちだけは確かなものであり、その点においては理想の夫婦像を見せてくれる。
全編通してあくまで二人の物語に終始しており、“ぐるり”の出来事はあくまで背景であったり、漠然と二人の感情を投影あるいはそれと比較するもので(法廷での被告人の姿などは特に)、本人に語らせない描き方は素晴らしいと思ったが、上映時間の長さもあって少し散漫とした印象を抱く部分もあった。
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