ルネ

鬼畜のルネのレビュー・感想・評価

鬼畜(1978年製作の映画)
5.0
1978年公開。 監督は野村芳太郎。 原作は松本清張の短編。

妻に内緒で愛人に3人の子供を産ませていた印刷屋の家に、愛人が子供を連れて乗り込んで来る。そして嫁と激しい舌戦を繰り広げたのちに、子供を置いて消える。子供が邪魔な夫婦は・・・というお話。

とりあえずタイトルが、この上なく怖い。 

子供が肉体的にか精神的に、バシバシ虐待されるのかと思って身構えていたら、意外とそんなでもなくて、もっと別の方法で子供を始末しようとする。

緒方拳の演技はいつもながら素晴らしいし、岩下志麻は怖い。小川真由美の醸し出す色気にもやられたし、田中邦衛のピンポイントな起用には声を出して笑ってしまった。当時20歳くらいの大竹しのぶが婦人警官の役で出ていて、これまた可愛かった。

若い頃の蟹江敬三が、結構カッコ良かったことにも驚いた。

妻の嫉妬心の描き方が秀逸。終盤、まさかのロードムービーになるところも予想外で楽しめた。

罪のない子供達を虐げたる夫婦に殺意を抱きつつも、深みが合ってすごくいい作品だと思いました。
ルネ

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