1978年公開。 監督は野村芳太郎。 原作は松本清張の短編。
妻に内緒で愛人に3人の子供を産ませていた印刷屋の家に、愛人が子供を連れて乗り込んで来る。そして嫁と激しい舌戦を繰り広げたのちに、子供を置いて消える。子供が邪魔な夫婦は・・・というお話。
とりあえずタイトルが、この上なく怖い。
子供が肉体的にか精神的に、バシバシ虐待されるのかと思って身構えていたら、意外とそんなでもなくて、もっと別の方法で子供を始末しようとする。
緒方拳の演技はいつもながら素晴らしいし、岩下志麻は怖い。小川真由美の醸し出す色気にもやられたし、田中邦衛のピンポイントな起用には声を出して笑ってしまった。当時20歳くらいの大竹しのぶが婦人警官の役で出ていて、これまた可愛かった。
若い頃の蟹江敬三が、結構カッコ良かったことにも驚いた。
妻の嫉妬心の描き方が秀逸。終盤、まさかのロードムービーになるところも予想外で楽しめた。
罪のない子供達を虐げたる夫婦に殺意を抱きつつも、深みが合ってすごくいい作品だと思いました。