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デビルマンのnobuoのレビュー・感想・評価

デビルマン(2004年製作の映画)
1.8
もはや説明不用のカルト映画。前回観たのは十年以上前か。映画鑑賞が趣味になり“実写デビルマン級の出来”という蔑称を聞くことも増え、実際どこまで酷かったかな...と再確認する為に鑑賞。原作や「クライベイビー」は未見です。

説明台詞が多い割に理解不能な箇所だらけの脚本・演出、メインキャストの棒演技があまりに突き抜け過ぎている。カルト映画化するに相応しい滅茶苦茶さだった。
特に後者は酷かった。多少の演技力の低さは全然許せるが、本作は許容範囲を遥かに超えている。特に作中の固有名詞をマトモに言えていないのは物語の進行・理解に支障をきたすのでマズい。
そんな演技力問題で一番割を食っているのは元不良の同級生キャラ・牛久。主役の滑舌が悪すぎて「うしくん」としか聞こえない。デビルマンなのかカエルくんなのかハッキリしてくれ。パンフレットやWikipedia等を見ずに彼の名前が「牛久」だと認識出来た人ってどれくらい居るんだろう。
ガバガバかつジェットコースター気味な脚本の問題点については一々挙げません。一分に一度はツッコミ所があるって奇跡だよ。その点では俺の人生ワースト「少林少女」を凌駕していた。


とはいえ全く観る価値のない映画という訳でもなく、ヒーロー映画的な観点からするとデビルマンVSシレーヌの空中戦等は見応えがあった。ミニチュアを駆使した教会地下崩壊シーンも冗談抜きで素晴らしい。また“デビルマンはCGがクソ”と言われがちだが、全編に渡ってCGの出来はそこまで悪くないのでは。明らかに低クオリティなモノは教会爆破シーン位しか無かったように感じる。
そして本作最大の救世主は駆け出し子役時代の染谷将太! 原作では不遇キャラらしいススム君を彼に演じさせ、準主役的なポジションに昇格させたスタッフの慧眼に拍手。
とにかく主役双子との演技力の差が歴然とし過ぎていて笑えるレベル。例えば“おぞましいモノに怯える演技”を見比べると明確。このビビり方は実写「寄生獣」で上手く活かされてますね。彼と準ヒロイン・ミーコの逃亡パートは比較的安心して見ていられた。むしろこの部分は普通に面白いのでは…?

演出と演技力さえ伴えば良作になり得るプロットとだと感じるし、主役二人のブロマンス要素等、深く掘り下げれば面白くなりそうな要素も見受けられたので惜しい。
ボブサップのラップ(挿入歌を担当したKダブシャインが直々に指導をしたとか)等のオモシロ没シーンも多いそうで。いつか流出してくれないかな。
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