カトリーヌ

昨日・今日・明日のカトリーヌのネタバレレビュー・内容・結末

昨日・今日・明日(1963年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

オムニバスの妙。50年以上前の映画だし少々身構えてはいたのだが、アルマンド・トロヴァヨーリの軽快な音楽と共に想像以上に楽しむ事ができた。
三話とも何か取り立てて面白い出来事がある訳ではないのだが、一話目からその生命力の強さに惹きつけられる。映画は時代や国状と切り離せないものだと思う。そんな意味でも戦後イタリア映画は日本と照らし合わせ易いので見ている自分も感情が乗せ易い。戦後の疲弊や混乱から少しずつ自信を取り戻してきて再び成長しつつある時代、それ自体を「生命力」のように感じるのだと思う。

一話目のどうしようもない庶民夫婦から二話目はハイソな感じの二人に急転する。三話目はローマに移ってまた違う男女像を見せてくれるのだが、そこには通底する男女感がある。一、二話を演じた後でマルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが演じる三話目の楽しさがとても心地よい。「特別な一日」はそれなりに面白いと思いながらも主演二人の魅力を味わえきれていない感触があった。この映画を見た事で臆することなく「ひまわり」を見られるような気がした。