COZY922

スリング・ブレイドのCOZY922のネタバレレビュー・内容・結末

スリング・ブレイド(1996年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

少年期に母親とその浮気相手を殺害し精神病院に入れられた知的障害のある男。この男と、男が病院を退院し戻った故郷の町で出会った少年との心の交流を描いた物語。

父を亡くした少年と身を寄せるところのない男はお互いに相手が必要な存在だったのでしょうね。最後に何が起こるのか容易に想像がつく作りになっているので、心温まる2人の交流を見ている段階で早々に切ない気持ちになりました。静かで淡々とした進み方とビリーの朴訥とした感じが、嘘偽りの無い素のままの心で相手を求め合う2人の心情を表すかのようで、余計に切なさを煽るんですよね。。

男は自分が犯したのと同じ過ちを少年に犯させたくないという一心だったのだろうけど、他の手段があったはずだと思うとどうしてもやりきれない気持ちになります。

冒頭でカールが言う「殺す必要のある奴はもういない」という言葉は逆に言えば「殺す必要のある奴がいたらまた同じことをするかもしれない」ということ。時を経ても何も変わっていないと思うと哀しい。たとえ憎むべき人物がいても、少年期とは違う選択をしてほしかった。
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