TakashiIbayashi

県警対組織暴力のTakashiIbayashiのレビュー・感想・評価

県警対組織暴力(1975年製作の映画)
3.8
物々しいタイトルからは想像もつかない一級のメロドラマだった。
立場は異なるが深い友情で繋がった菅原文太(警察)と松方弘樹(ヤクザ)。友情と呼ぶには余りに熱く濃すぎる彼らの絆が、“県警対組織暴力”の抗争によって翻弄され、やがて悲しき結末を迎える。『仁義なき戦い』シリーズで磨きに磨かれた、笠原和夫による広島弁の台詞回し。主演カップル(敢えて、そう呼ばせてもらおう!)を取り巻く獣のような俳優陣の面構え。臨場感溢れるカメラワーク。そして、それらを鮮やかに束ねる深作欣二の演出手腕。抗争の臨場感に瞠目し、その混沌を彩る男たち(とくに尋問される川谷拓三のやられっぷり!)の魅力に惹きつけられ、映画の終盤には胸を締め付けられるような愁嘆場に立ち会うことになる。しかも、これだけ見所が詰まった内容なのに時間は100分にも満たない!
この男汁が濃縮された極上のメロドラマ、観ない手はないではないか!
TakashiIbayashi

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