カリー

櫂のカリーのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.2
女衒を生業とする岩悟はこの仕事が人助けにもなると信念を持ち、どこぞの名も知らぬ子を拾ってきたり長屋の人たちが困ってれば身銭を切って助けたりと人情味がある一方、女の扱いに関してはま〜ひどいのなんの。妻の喜和には「俺の言うことは絶対だ!」と言わんばかりの亭主関白ぶりだし、女を囲ってはあっさり捨てる冷酷さ。
だけどこの岩悟演じる緒形拳が最高にかっこよくてセクシーなんだ..
そしてひどい仕打ちをされながらも亭主を支え、奮闘する十朱幸代の演技が素晴らしい!
喜和は前々から岩悟に女衒の仕事を辞めてほしいと思っていることもあり、折り合いが合わずに夫婦の溝が深まっていくというストーリー。全体的に喜和が可哀想で仕方ないけど、岩悟もちらっと語られる自身の生い立ちのせいもあり、妻への愛情表現が下手くそな不器用な男でなぜか憎めない。喜和から女について問い詰められるシーンでは決まって「あれは〜〜するつもりだ、気にすな」と否定するし、喜和が入院したときは念仏を称えたり、なんだかんだ本当に愛しているのは妻だけだとわかるけどいかんせん不器用すぎて..最後岩悟が暴れるシーンが良かった。
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