みけ

櫂のみけのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
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家族を言い訳にした男のエゴに振り回される、女性たちの物語である。
家族のために始めた商売に、家族も自分自身も蝕まれていく主人公の様子は、さながら和製『ゴッドファーザーpart2』である。
正直に言えば、この映画で描かれる生々しい当時のジェンダー観に、頭がくらついてしまった。時代物の映画を観る姿勢として褒められたことではないのは分かっているが、物凄い嫌悪感を感じるまでの男尊女卑の世界観が描かれている。これはもちろん作品への誉め言葉であるが、しかし同時に、泣きながら生きる女性たちの姿に美やいじらしさを感じることは決してできない。
大好きな緒形拳に強いムカつきを覚えるほどだ。もちろんこれは、緒形拳への誉め言葉であるが、しかしこの毒はしばらく抜けそうにない。
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