この余韻をどう表現すればいいんだろう…!!
良作に出会ってしまいました。
この嬉しさを話したくて仕方ない。こんな時にfilmarksはありがたいです♪
一見手を出しにくいタイトルですが…
軽やかな音に心が弾み、涙とともに笑顔にならずにはいられない、音楽愛・家族愛にあふれた映画でした。
舞台はジャズ文化が花開いた1920年代。
こよなく音楽を愛したコルネット奏者、レッド・ニコルズの半生を描いた物語。
私はジャズを知らないし何の楽器もしていないのですが、作中のルイ・アームストロング(本人!)にはすっかり魅了されてしまいました。
伝説と言われるその名は知っていたけれど、実際の彼はそんなオーラを感じさせない陽気で愛嬌あるおっちゃん。
もうね、めっちゃくちゃ楽しそうなんですよ。いい顔してるなぁ。見ているだけでウキウキ、彼の奏でる音に笑みがこぼれます。
その彼の演奏中に無礼にも飛び入りしてきた田舎青年が驚きのセッションを繰り広げる。
それが主人公のレッドであり、ここから彼のジャズ人生がスタートするのです。
「ルイは俺を国1番と言ってくれた。
あのジャズの王さまルイ・アームストロングがだ。」
それほどの実力を持ちながら、彼の名は今日でもあまり知られていません。
彼は捨ててしまうのです。
あれほど愛したコルネットを。
なぜなのかーーー
そこが今作の軸に据えられています。
彼は自分を許せなかったのでしょう。
償おうと捧げる彼の優しい笑顔が
やけに悲しげに目に映る…。
私はやっぱり奥さんに感情移入。
お願い、もう1度輝いて。
コルネットを吹いて。
家族の想い。
娘とのやり取り。
かつての仲間。
鳴り響くあの時の曲。
その全てがさりげなく
優しく交わるラスト。
ズルいなぁもう。
全編通してバランス良く演奏場面が挟まれていますが、ルイとレッドのセッションは名シーン!誰もが聞いたことのある曲なので親しみやすい♪
ここだけでも見る価値あり。
娘を入れた3人でのコーラスは可愛らしいし、主題曲でもある「5つの銅貨」は言わずもがな。
主演ダニー・ケイのユーモラスな演技も必見です。
銅貨1枚1枚に込められたもの全てが詰まった、明るく幸せな作品でした。