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ザ・コーヴのperipateticSのレビュー・感想・評価

ザ・コーヴ(2009年製作の映画)
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問題提起は非常に大事だが、編集が恣意的すぎる。


アニマルライツの視点から肉食を禁ずる人が、植物ならokになる理論が、いつも分かりそうで分からない。その視点そのものが、人間中心の穿った見方なのではという大きな謎。目に見えて鳴いたり動いたりしない命なら食していいのかな?かれらにとって人間は、エコサイクルの外に位置付けられるの?
痛みがあるかないか、恐れの感情があるかないか、科学的に証明してどうするのだろう。科学も人間が生み出した観点だ。命を相対関係に見るべきなのか。つまり、「かわいそう」の情動で、食べて良いものの基準を制定するのには限界があるでしょうと。

環境破壊の視点でなら、理解はできる。

とはいえ、ベジタリアンやヴィーガンを攻撃する人たちを見ると、自分の権利が脅かされたような気持ちになっちゃうんだねぇと哀んでしまう。責められたような気持ちになるんだろうな。
いずれの議論もきりがねぇ。ふつうに人間が一番害悪なので新たに「生産」しないのが手っ取り早い。

何かしらの命をいただいて生きるしかない存在が、あっちはダメでこっちはオケ、みたいな議論は、一体どうしたらいいのだろう。ぜんぶ手前でどんぐりの背くらべしてるみたいに見える。決して意味がないとはおもわないし、努力して食べない人たちの歩みを止めたいわけではないけど。
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