なるき

精神のなるきのレビュー・感想・評価

精神(2008年製作の映画)
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あえてノースコア
でも、みんな観るべき作品だと思う
観て何かをしろとか考えを改めろとか言わないけど

子どもを死なせてしまった女性の話、学生の頃に授業で観たことがあることに気付いた
その時は安直に「変な人だな…」としか思わなかったけど今見ると全く違う印象を受けた、、、内容が、、、
そしてあの頃の自分を引っ叩きたくなったと同時に(でもそれがリアルだよな…)と否定はできないもどかしさがある

精神疾患は誰でもなり得るしその『カーテンの向こう側』の実態は本当に辛いもの

たった一言で傷付くことがあるし
元気そうに見えても内心は落ちている
でも人を救えるのは人だけ
生きるって難しい…

今作はそんな地続きにあるカーテンの向こう側をBGMもナレーションも無く本当にリアルに収めていて、山本さんのカウンセリングは素晴らしい
しっかり話を聞いて、なにをしたいの?どう思うの?と、患者さんの意思を大事にして平等に向き合う姿と人柄に強く惹かれた

顔出しで出演を許諾してくれたってのも凄いし、あそこまで話を聞けるのも想田監督の手腕なんだろうな…

そしてスガノさんのポエムも良い
明るさって大事!
「優しさって人に憂って書くだろう。
憂が多い人ほど優しくなれるんだ」

少し温かさがあって前向きかな、と思ったのにあのラスト、そしてエンドロールの追悼にまた苦しくなる…

理解されたくても理解してもらえない
理解したくても理解できない
コミュニケーションの難しさを叩きつけられた

「自分で自分の偏見を無くす」
この言葉を大切にしたい
なるき

なるき