けべん

トレインスポッティングのけべんのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
3.3
ジャケットのインパクトが大きいなと思い(「メメント」と少し似てる?)、その不思議さも相まってずっと気になってた作品を鑑賞。

タイトル「trainspotting」は、列車の型やナンバーを覚えて見分けることらしく、タイトルはかなりの秀逸さが伺える。同名小説が大元で小説の表紙は骸骨なので、映画も小説もジャケットはかなり考え込まれてると云える。

この作品は内容もさることながら、役者や監督も素晴らしい。
『スラムドッグ$ミリオネア』『127時間』『イエスタデイ』のダニー・ボイルが監督。主役は、『スター・ウォーズ』新三部作でオビ=ワン・ケノービを演じる若き日のユアン・マクレガー。いずれのふたりとも若い頃から才能を開花させていてすごいなと思った。


作品の表現が突出してたと思う。薬物という一度嵌ると抜けない、そしてその快楽さ、その深さがうまく表現されてた。トイレの便器に体ごと突っ込むシーン、床が減っこむシーン、薬物への欲求・禁断症状・幻覚の見え方など。表現も含めてドラッグに関連したしがらみだったり欲望がこれ以上にないくらい盛り込まれた作品ではないだろうか。
個人的には後半が好きだった。主人公が更生して人生を立て直そうとしてる同時並行的に、過去の関係やしがらみがついて纏う話。自身の想いや行動と外部要因は一致しないんだなと感じた。人生の難しさかもしれない。

意外にドラッグにハマるきっかけや背景は描かれていない。「豊かな人生なんか興味ないが、理由はない」「俺の人生には何かが欠けてる」というのが根底にあったのだろうか。

続編もあるようで、こちらも評価が高い。続編の舞台は1作目から20年後。気が向いたら見てみようと思う。

いい意味でも悪い意味でも、人の欲望に焦点が当たってる作品となる。刺激がかなり強い内容となってるため、そこはご注意を。時間は短いので手軽に見れるのが良かった