tani

アメリカン・ビューティーのtaniのレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
4.0
登場人物は屈折したヤツらばっかりだ。
娘の友人に恋して本気で筋トレに励むオヤジ、不倫する妻、反抗する娘、"自称"遊び人の娘トモ、盗撮&ヤク売人の隣人、元軍人で息子をぶん殴る隣人パパ、何やら挙動がおかしい隣人ママ。

みんなそれぞれ、大なり小なり何かを隠し、ガマンして生きている。

そんな我慢を止め、仕事を辞め、妻に今までの鬱憤をすべて吐き出し、娘友人とヤりたいがために体を鍛えることに全力を注ぐようになったオヤジは、間違いなく以前より良い顔をしていた。

娘トモにしても、虚勢をはっていたことを打ち明け、心身ともに曝け出したときが、一番美しい瞬間だ。
いや、お○ぱい見れたから嬉しいとか、そういうのじゃないですよ、はい。

自分に素直に生きるということが、善悪は別として、美しさであるということが、この作品のメッセージだろうか。隣人パパは、素直になろうとしたものの、それが受け入れられずに、あのような行動を起こしてしまったわけだけど。

現に作中で唯一陰がないのは、ゲイであることを隠さずに仲良くランニングする隣人カップルである。
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