ならちゃん

アメリカン・ビューティーのならちゃんのレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
4.1
それぞれのこころの闇の先に行き着いたもの。それは死。でもそれだけじゃない。バッドエンドだけど、そうとも言えない不思議な映画。

冒頭で、主人公のレスター・バーナムは「1年たたないうちに自分は死ぬ」とナレーションで伝えている。
初めは、どうやって死ぬのか?と気になったけど、注目すべきはそこじゃなかった。

冷えきった家族間、会社でリストラの対象にされ、生きる気力もないレスター。
不動産業をする、やたらと幸せアピールする妻のキャロリン。
美しい友人がいるために、自分は醜いと思い込んでいて豊胸手術を考えている娘のジェーン。
平凡であることを嫌う「男はみんな私を見ると夢中になっちゃうの」って自分で言っちゃうような、美女の友人アンジェラ。
ジェーンのことをひたすらビデオで撮る隣人のリッキー。
その父親のフランクは、元軍人の大佐。息子にかなり強く当たっていていつも不機嫌。

それぞれが心の闇を抱えている。
特にあの彼の悩みは深い...

レスターの最期の表情、あれは幸せそうだった。
会社を辞め、好きなものを買って、妻に言いたい事を言い、娘の友達を好きになっちゃってヤリたいが為に肉体改造もして。
でも最期に大事なことに気づき、男から父親に変わる一瞬。
それを美しいなといった表情で見つめる彼。美しさって人それぞれなんだな...

アメリカンビューティーはバラの名前。
映画の中では赤が象徴的。もう一度観たら、違った視点で観れそうな深い映画でした!
ならちゃん

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