あまりにもこじらせた人々。
その人々がこじらせぶりを劇中で披露しまくる。
となると、爆笑モノなのかというと、そうではない。
最初はゲラゲラと笑えてくるが、序盤~中盤~終盤と物語が流れて行けば行くほど、そんなこじらせた人間一人ずつに感情移入してしまう。
しっとりとして計算しつくされた劇伴。芸術的な照明配置による重厚な撮影からなる「脱現実」感あるスクリーンの質感が、作品をコメディという境地から哀愁と感動の境地まで引きずり込まれてしまう。
「なんだかみんな馬鹿野郎なんだけど、みんなに幸せになって欲しい」と思いながら、哀愁の思い出と余韻が残る映画でした。
とにかく劇伴と撮影はトップクラス。見て損はない。ゲラゲラ笑えてすっげえ悲しくて心に残る。ぜひお上品なポスターに騙されずに見て欲しい