ミージュ

THE 4TH KIND フォース・カインドのミージュのレビュー・感想・評価

3.6
芸大内の映画館で行われた、第1回・学内試写会で鑑賞。

 冒頭は、記録映像と再現映像と字幕の混在で目が泳ぎっぱなしだったが、それらは、上手くシンクロしていく。記録音声をバックに再現の物語を進行させ、ただ画面分割を行うだけでなく、比率の変化や移動・回転などの工夫により一体感が生まれ、飽きさせない。記録映像・音声には目が釘付けである。そこで少し気になったのが、後から入れた音だ。急な大音量で観客をびっくりさせるという、演出がやや多い。相手は悪魔ではなく、未確認生物なのだから、和製ホラーみたいな不気味さがあった方が良い。その点で、フクロウはとてもいい味を出していた。チラシにフクロウのカットも入れたらいいのに。

 チラシといえば、タイラー博士にかかっているモザイクが、本編では無い。何故か、その博士の顔が胡散臭く見えた。モザイクは、恐さやエロさを助長する働きがあると思う。放送中のアニメ『うみねこのなく頃に』で六人の腹を引き裂いて、お菓子を詰め込んだシーンがあるが、六箇所のモザイクが逆に気持ち悪い。

 他に引っ掛かったところは、催眠治療の際、
○○が立ち会わなかったのはなぜか。
一番信じていない者こそ、同席させるべきではないのか。
仮に、大勢の前だったとして、同じような怪奇現象は起こるだろうか。
いや、起こらない気がする。

 そして、「フォース・カインド」がタイトルになっているにも関わらず、一番の山場が、サード・カインド(接触)である事。しかしそれは、フォース・カインド(○○)の記録映像が無いので致し方ない。最近見た『マーズ・アタック!』『ミスティック・リバー』は種類が違うが、○○される点では同じだ。ミスティックの回想では、事象の前後しか映像で表現していないにも関わらず、恐怖を覚える。それは、子供が最初に異変を察知するというのがポイントだ。『チャイルド・プレイ』の面白さの一つでもある。○○の○だけでなく、○○も何か影響を受けていれば、作品の印象は変わっただろう。まぁ、ノンフィクションが前提なので、現在も○○というところが、リアルなのかもしれない。

 世の中には、説明できない事が数多く存在する。
それらを、体験せずに信じる事は難しい。
この作品をみて、何らかの疑惑を抱き、
『フォース・カインド』を疑似体験出来たなら、
作品を存分に楽しめたのだろう。
 
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