ゆーたろー

ベリー・バッド・ウェディングのゆーたろーのレビュー・感想・評価

3.5
「バトルシップ」「ハンコック」等の超大作映画から、最近では「ローンサバイバー」「バーニングオーシャン」といった実話物をマークウォールバーグと組んで作ってる安定したヒットメーカーピーターバーグの監督デビュー作。
デビュー作でキャメロンディアスや全盛期のクリスチャンスレイター(この頃は今で言うブラピに並ぶスター)を主演に使えてるのはスゴいが、これがかなりぶっ飛んだ異色の作品であのピーターバーグとは思えない。

ストーリーについて
一応キャメロンディアスの夫が主人公なんだけど、結婚式の前にクリスチャンスレイター達とハメを外すバチェラーパーティをやって、呼んだ娼婦を友達の一人が間違えて殺してしまって、その死体を砂漠に埋めようってところから地獄の連鎖が始まっていくというストーリー
一応ブラックコメディだけど最初に娼婦を死なす所はかなりシリアス。
死体がバスルームに転がった絵はまさにスプラッターホラーで、スレイターがぶっ飛んでいって歯止めの効かなくなっていく所はサイコサスペンス。
友達の一人が娼婦やホテルマンを死なせてしまった罪悪感で心が追い込まれていく心理的描写も良くできている。
こう見えてかなり練られている脚本で作品の展開も予想できるような単調な流れになってなく、デビュー作とは思えない。

俳優の演技について
クリスチャンスレイターの安定感のある演技はこの頃から素晴らしいな。
最初はみんなを落ちつかせて統一しているように見えるが、途中からめんどくさくなって歯止めの効かなくなっていくときの
ぶっ飛んでいるけど、なんか安定していてブラックコメディからギリギリ外れてない感じの演技。
極め付けはどんなことが起きようが結婚式を中止にしたくないさらにぶっ飛んだキャメロンディアス。
ぶっ飛びすぎて引くレベルの展開が繰り広げられようがブラックコメディというジャンルの枠から外れないのは彼女とスレイターの存在が大きい。

もっとスレイターとキャメロンディアスのサイコパスな2人のバトルを描いたらさらに面白くなったのかなと思ったが、個人的には十分見応えのある映画だった。
この作品やオリバーストーンの「Uターン」等、シリアスな映画が多い監督はたまにこんなぶっ飛んだ映画作るから、才能が幅広いなて思う。
デビッドリンチの「ストレイトストーリー」みたいなぶっ飛んだ作風の人が人間ドラマ作って成功する逆パターンもあるけど笑。
ゆーたろー

ゆーたろー