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陽はまた昇るのhのレビュー・感想・評価

陽はまた昇る(2002年製作の映画)
4.0
自分は元々気が弱かったという主人公のセリフで、

易しいことをし続けるよりも、厳しい環境で負け続けるほうが人は強くなれると思って頑張ってる

って言ってた部分が印象に残った。

実際に主人公は思いついたら渡米したり、松下の元に出向いたり、その後倒れた妻の元へ駆けつけたりと奔走していて、とても定年前のサラリーマンとは思えないハングリー精神をみせていた。



今の松下に足りないのは、(主人公のような)心なんじゃないでしょうか━━これは松下に転職する形で主人公の元を離れた元部下が松下幸之助に宛てた手紙の一節である。主人公がVHSを松下幸之助に売り込んだあと、この手紙は送られる。
人やなあというセリフを発し、VHSを採用した松下幸之助、また、主人公の想いが、元部下を通して届いた瞬間には胸をうたれた。


おれについてきてほしいと部下へ頼み、一人一人の名前を覚え、下請け会社を協力会社と呼んで大切にした主人公。渦中にいる人間からすれば、急に異動した人間が綺麗事を言い、技術営業に回される部下もいて、振り回されてストレスフルだったと思う。しかし、主人公は1人1人大切にしていたからこそ、人一倍そのことを気にしていたし、腐らず貪欲に目標へ向かい続け、才能あふれる部下達をゴールへ導いた。その舵取りは見事だったと思う。
現在では問題点もあるかもしれないが、高度経済成長期の日本的経営で、エンジニアをリストラせず、人を大切にした主人公は間違いなく良い上司だ
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