しず

南極料理人のしずのレビュー・感想・評価

南極料理人(2009年製作の映画)
4.2
邦画好きの先輩におすすめされたので鑑賞。
こんなに誰かと食卓を囲みたくなる映画あります?

南極という普通の生活がままならない環境で仕事をすることになった8人のおじさん。それぞれが個性的で、ご飯の食べ方ひとつにしてもそれぞれに違いがあって面白い。主菜からガツガツ行く人もいれば、先に汁物を飲む人もいる。中には調味料をいっぱいかける人も。そんな人たちのご飯を作るのが堺雅人演じる西村。

「美味しいものを食べると元気が出る」

これはどの時代でもどの国でも変わらない。落ち込んだ時は美味しいものを食べる。結局これに尽きる。

気のせいかもしれないけど、ご飯を食べるシーンが作中いっぱいあるのに誰一人「美味しい」とか「うまい」って言ってなくない?
ラスト西村がテーマパークでハンバーガーを食べた時だけな気がするんだけど。
隊長がラーメン食べた時ですら「ラーメンだ」としか言わなかったしね。意図的に言わせないようにしてるよね。
美味しいとわざわざ言わないくらいこの基地に住む人達が家族のような存在なのか?

考察を見たところ、料理人としての「孤独」というのが一番自分の中で納得した。言われてみれば、西村だけ呼称がないこととか、ポスターで1人だけ離れてることとか孤独とか孤立を想起するものが多い気がする。

なんかこれ以上考えると暗くなりそうなのでやめとく…
明るい内容ながらもどこか影のある不思議な作品です。
しず

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