ロボトミー

アバウト・シュミットのロボトミーのレビュー・感想・評価

アバウト・シュミット(2002年製作の映画)
4.1
時折、ジャック・ニコルソンを観たくなるので。

保険会社を定年退職した主人公。妻と老後の生活を送ろうとするや否や、突然の不幸に見舞われ、家族と人生を見つめなおすというお話。

冒頭5分で「お堅いキャラのジャック・ニコルソンなのか…?」と思わせてからの安定のジャック・ニコルソン。どんどんアクセルが踏まれていきます。散々な目に逢い、裏切られ、ミスを侵し、自らをなんとか律しようと足掻いた結果、孤立してしまう不器用な人物を演じさせたらやっぱりピカイチなんですねぇ。
だれしもが怯えつつ迎えるであろう老後の過ごし方を体を張って代弁してくれます。ふれあいの輪を広げようとした結果、距離を置かれてしまうキャンプ場のシーン、とても胸にくるものがありました。
心中を見抜かれた主人公が、つい甘えてしまいラスク婦人の胸に埋まった時のラスク婦人の困惑の顔。そのまま勢いでキスをしてしまい、拒絶されたときのキャンピンカー車内の空気感。いたたまれません。でもそれがいいんです。
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