Ryan

初恋のきた道のRyanのレビュー・感想・評価

初恋のきた道(1999年製作の映画)
4.3
となりのトトロ


 
ストーリー
都会からやってきた若い教師ルオ・チャンユーに恋して、その想いを伝えようとする18歳の少女チャオ・ディ。文盲のディは手作りの料理の数々にその想いを込めて彼の弁当を作った。やがてその気持ちに彼も気づき、いつしか二人の心は通じ合うが…。


主演 チャン・ツィイー
監督 チャン・イーモウ



懐かしい。
この映画を「素敵」と例えたいが、何故かその言葉は合わない。
シンプルな物語だが奥ゆかしさや風情を感じ時代の流れに翻弄される2人の若者の物語はこうも人を惹きつけるのかと例え用のない感情に襲われる。

古き良き時代であり、順風満帆な物語ではないからこそ人を惹きつけ、そこに魅力を感じる。そして、この映画の持つ力はなんと言っても初々しいキャストと彼女らが作る"手料理"
我々日本人にも馴染みがある台所で一生懸命にご飯を作る姿は"となりのトトロ"を彷彿させる。
過去は言葉で語らず仕草や表情で表現しつつ、現在を"言葉"で表現する方法は見事。
これが農村を舞台に映画を撮り続けてきた監督の作品なのだ。

主演のチャンツィイーの初々しい演技はとても見事。あの走り方やお椀の持ち方、水の組み方などは完璧であった。

今後こういった作品も作られ続けると良いな。
Ryan

Ryan